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物損事故と人身事故の違い|切り替え手続きと期限

交通事故の警察処理には「物損事故」と「人身事故」の2種類があります。怪我をしているのに物損のまま処理されると、実況見分調書が作成されず、後の賠償交渉で不利になるおそれがあります。この記事では両者の違いと、人身への切り替え手続きを解説します。

物損事故と人身事故の違い

物損事故人身事故
対象車・物の損害のみ人の死傷を伴う
実況見分調書作成されない(物件事故報告書のみ)作成される(過失割合の重要証拠)
加害者の責任刑事・行政責任は原則なし刑事処分・行政処分(点数)の対象
自賠責保険使えない(自賠責は人身専用)使える

なお、物損扱いでも人身の損害賠償請求自体は可能ですが(「人身事故証明書入手不能理由書」で対応)、証拠面・保険手続き面で不利が残ります。

物損のままにする3つのデメリット

  1. 過失割合の立証が弱くなる:実況見分調書がないと、事故態様の客観的資料を欠きます
  2. 「大した事故ではない」と扱われやすい:治療の必要性や因果関係を争われる一因になります
  3. 加害者側の緊張感が生まれにくい:刑事・行政処分がないため、対応が軽くなりがちです

人身事故への切り替え手続き

  1. 病院で診断書を取得する(「加療◯日間」の記載のあるもの)
  2. 事故を扱った警察署(交通課)に連絡し、切り替えたい旨を伝える
  3. 診断書を持参して届出、実況見分に立ち会う(当事者双方が呼ばれます)

期限の法的定めはありませんが、事故から時間が経つほど警察が受理しにくくなります(目安1〜2週間以内)。むちうちの症状が数日後に出た場合も、すぐ受診して診断書を取り、切り替えを申し出てください。

警察に受理を渋られたら

受傷と事故の関係を丁寧に説明し、それでも難しい場合は「人身事故証明書入手不能理由書」で保険請求は可能です。ただし証拠面の不利は残るため、まずは切り替えを試みる価値があります。

よくある質問

Q. 切り替えると加害者に悪い気がします。

切り替えは被害者の正当な権利であり、賠償の基盤を整える手続きです。ためらう必要はありません。

切り替えの判断もご相談ください

虎ノ門法律経済事務所横須賀支店では、事故処理の初動からアドバイスしています。初回45分無料です。

>>無料相談の流れはこちら>>事故直後にやるべきことはこちら

※本記事は令和8年7月時点の実務に基づく一般的な情報提供です。個別の事案については弁護士にご相談ください。

この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野交通事故事件・相続事件・不動産事件・破産事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。交通事故事件では、裁判基準による適正な賠償額の実現を目指すとともに、依頼者の精神的なご負担を少しでも軽くすることを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員