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示談後に症状が悪化した場合の追加請求の可否

示談書には通常「本件に関し、以後何らの債権債務がないことを確認する」という清算条項が入っており、示談後に症状が悪化しても、追加請求は原則できません。ただし、ごく限られた例外があります。この記事では例外の中身と、そもそも紛争を防ぐ示談時の工夫を解説します。

原則:清算条項がすべてを打ち切る

示談は民法上の和解契約であり、当事者は示談内容に拘束されます。「あのときは分からなかった」という事情だけでは覆せません。

例外:予見できなかった後遺症(最高裁判例)

最高裁は、示談当時予想できなかった後遺症がその後発生した場合、その損害は示談の効力の範囲外として追加請求を認めました。ポイントは次のとおりです。

  • 示談当時の予見可能性が基準(軽傷の前提で早期示談→重い後遺障害が判明、など)
  • 示談金額がその後の損害と比べて著しく僅少であることも考慮されます
  • あくまで例外であり、立証のハードルは高いのが実情です

その他に争い得る場合

  • 錯誤・詐欺:重要な前提に誤りがあった、欺かれて示談した場合の取消し・無効主張
  • 清算条項の範囲外:物損のみの示談だった場合の人身部分、示談書の文言上除外されている損害

予防がすべて:示談時の工夫

  1. 治療終了・等級確定まで示談しない(大原則)
  2. 抜釘手術など将来の治療が予定されるなら留保条項を入れる(例:「後日○○手術を要した場合の費用等は別途協議する」)
  3. サイン前に5つのチェックポイントを確認する

よくある質問

Q. 示談の1か月後に痛みが強くなりました。もう無理ですか?

原則は困難ですが、示談時の状況・金額・新症状の内容次第で例外の余地はあります。示談書と診療記録をお持ちのうえ、早めにご相談ください。

示談後のご相談も、まず状況を拝見します

虎ノ門法律経済事務所横須賀支店では、示談後の追加請求の可能性診断も行っています。初回45分無料です。

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※本記事は令和8年7月時点の裁判例・実務に基づく一般的な情報提供です。個別の事案については弁護士にご相談ください。

この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野交通事故事件・相続事件・不動産事件・破産事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。交通事故事件では、裁判基準による適正な賠償額の実現を目指すとともに、依頼者の精神的なご負担を少しでも軽くすることを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員