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過失相殺と損益相殺の違い|賠償金から差し引かれるもの

賠償金から差し引かれるものには2種類あります。過失相殺(被害者の過失分の減額)と損益相殺(既に受け取った給付の控除)です。何が引かれて何が引かれないのかを知らないと、計算書の妥当性を判断できません。

過失相殺とは

被害者にも事故への過失がある場合、損害総額から過失割合分を減額する仕組みです(民法722条2項)。例:損害1000万円・過失2割→賠償800万円。過失割合の決まり方はこちらの記事へ。

損益相殺とは:引かれる給付・引かれない給付

差し引かれる(損益相殺の対象)差し引かれない
自賠責保険金・政府保障事業のてん補金搭乗者傷害保険金(定額給付)
労災の休業(補償)給付・障害(補償)給付等の本体給付労災の特別支給金(休業特別支給金等)
健康保険からの給付(治療費の7割等)生命保険金・傷害保険の定額給付
遺族年金・障害年金(支給調整の枠内で)香典・見舞金(社会的儀礼の範囲)
人身傷害保険金(支払われた範囲で)雇用主からの恩恵的な見舞金

「過失相殺と損益相殺の順序」で手取りが変わる

どちらを先に計算するかで結果が変わることがあり、給付の種類ごとに扱いが異なります(例:労災給付は過失相殺後の残額から控除〔控除前相殺〕とされるなど)。人身傷害保険を先に受け取る場合の充当関係(訴訟基準差額説)も含め、専門的な検討で手取りが数十万円単位で変わり得る領域です(人傷の記事)。

計算書でチェックすべきこと

  1. 「既払額」に、控除してはならない給付(特別支給金等)が紛れていないか
  2. 過失相殺の適用順序が正しいか
  3. 治療費の「既払い」が自由診療の高額単価で枠を圧迫していないか

よくある質問

Q. 生命保険の入院給付金も「既払い」に入れられています。

誤りです。定額給付の保険金は損益相殺の対象外であり、控除させない交渉が必要です。

控除の適否は1行ずつ検証します

虎ノ門法律経済事務所横須賀支店では、計算書の控除項目を精査して適正な手取りを確保します。初回45分無料です。

>>無料相談の流れはこちら>>慰謝料・賠償金サポートはこちら

※本記事は令和8年7月時点の裁判例・実務に基づく一般的な情報提供です。個別の事案については弁護士にご相談ください。

この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野交通事故事件・相続事件・不動産事件・破産事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。交通事故事件では、裁判基準による適正な賠償額の実現を目指すとともに、依頼者の精神的なご負担を少しでも軽くすることを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員