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保険会社の示談金提示が低い理由|任意保険基準のカラクリ

保険会社の示談金提示が低いのは、担当者の意地悪ではなく、構造的な理由によるものです。提示額は各社の社内基準(任意保険基準)で計算されており、裁判所が認める水準(裁判基準)とは別物だからです。この「カラクリ」を知れば、提示額にどう向き合うべきかが見えてきます。

カラクリ1:営利企業としての構造

保険会社は株式会社であり、支払保険金の抑制は収益に直結します。担当者は誠実でも、会社としての支払基準が低く設定されている以上、当初提示が低くなるのは必然です。

カラクリ2:「基準」という言葉のマジック

「当社の基準で計算した適正な金額です」という説明は噓ではありません。ただしそれは社内基準として適正という意味であり、法的に適正(裁判基準)という意味ではありません。3つの基準の違いはこちらの記事で解説しています。

カラクリ3:情報の非対称性

多くの被害者は裁判基準の存在を知らず、比較対象を持ちません。「こんなものか」とサインしてしまえば、保険会社にとって最小のコストで解決します。知識の差が、そのまま金額の差になる構造です。

カラクリ4:増額提示の余地があらかじめある

当初提示は交渉の出発点であり、弁護士が就くと提示が上がることは珍しくありません。裁判になれば裁判基準で支払うことになるため、「弁護士あり」の相手には最初から歩み寄る、という行動原理です。

低い提示にどう対応するか

  1. 提示書(損害額計算書)の内訳と計算根拠を確認する(損害項目一覧
  2. 慰謝料・休業損害を裁判基準で再計算する
  3. 差額が大きければ、弁護士による交渉・法的手続きを検討する

よくある質問

Q. 交渉すれば本人でも増えますか?

多少の上乗せはあり得ますが、裁判基準までの増額は本人交渉ではほぼ実現しません。費用対効果は費用倒れの記事を参考にしてください。

提示額の「差額診断」は無料です

虎ノ門法律経済事務所横須賀支店では、提示書をお持ちいただければ、裁判基準との差額をその場で診断します。弁護士費用特約対応です。

>>無料相談の流れはこちら>>慰謝料増額サポートはこちら

※本記事は令和8年7月時点の実務に基づく一般的な情報提供です。個別の事案については弁護士にご相談ください。

この記事の執筆者
弁護士法人TLEO 虎ノ門法律経済事務所横須賀支店 横須賀支店長・パートナー弁護士・税理士 中村 賢史郎
保有資格弁護士、税理士、司法書士有資格
専門分野交通事故事件・相続事件・不動産事件・破産事件を主に取り扱う
広島大学(夜間主)で、昼に仕事をして学費と生活費を稼ぎつつ、大学在学中に司法書士試験に合格。交通事故事件では、裁判基準による適正な賠償額の実現を目指すとともに、依頼者の精神的なご負担を少しでも軽くすることを信念としています。
経歴広島大学法学部夜間主卒業
広島大学法科大学院卒業
平成21年 司法書士試験合格
令和3年4月 横須賀支部後見等対策委員会委員
令和5年2月 葉山町固定資産評価審査委員会委員
令和6年10月 三浦市情報公開審査会委員
令和6年10月 三浦市個人情報保護審査会委員
令和7年1月 神奈川県弁護士会横須賀支部役員幹事
令和7年3月 神奈川県弁護士会常議員